2013年12月12日木曜日

熊本県自然環境講座

平成25年度熊本県自然環境講座の講師をさせていただきました。
(平成25年11月23日(土) 熊本県立大学)

 熊本県では、県内の自然環境に関する基礎的知識の習得や生物多様性保全への理解を促進するため、県民を対象とした普及啓発講座を実施しています。
 今年のテーマは「生物多様性」で、10月19日~1月11日まで、計7つの講座が開かれています。
詳しくは、熊本県 環境生活部 環境局 自然保護課のHPに掲載されています。

 私が担当したのは、講座3「生物多様性の危機(外来植物)」で、外来植物の侵入状況と予測される生態系等への影響について話をさせていただきました。

内容は・・・

1.外来種について
 外来種とは、在来種とは、侵略的外来種とは・・・・基礎的な話とよく見る外来種の紹介をしました。
2.外来生物法とは
 環境省が定めた「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」について、クイズを交えて説明しました。
3.最近侵入した外来種について
 近年、イネ科スパルティナ属の1種が日本に定着しました。1箇所は愛知県、もう1箇所はここ熊本県です。本種の発見から種名解明までの経緯や、分布の現状、考えられる影響等を説明しました。
4.在来種を装った外来種
 在来種のようで、実は外国産。このような外来種もあることを説明しました。
5.その他の侵略的外来種
 最近みられるようになり、侵略的だと感じる帰化植物について説明しました。

 受講者の皆様は、自然が大好きで、色々な場所で自然保護に携わっている方ばかりでした。
私のような若輩者が、大先輩の前で話をさせていただけたのは、大変光栄でした。
熱心に話を聞いていただき、ありがとうございました。

講義風景

 フィールドを歩く日々で、若干体力の限界を感じていた今日この頃。
しかし、こんな風に役に立つこともあるのでした。
これからも勉強を続けます。

文責:RI

2013年9月26日木曜日

環境学習会(松橋町久具地区)


8月22日に宇城市松橋町の久具地区で開催された小学生を対象にした環境教育学習会のお手伝いに参加してきました。

参加者は、久具地区の小学生とその保護者や関係者の方々を含めた約50人でした。
学習会は、水質調査、微生物調査、田んぼの生物調査を通じて、子供達の環境保全に対する意識の向上を図ることを目的に実施しています。
私達は水質調査の担当として、宇城警察署の裏を流れる旧大野川で透視度計やパックテストを使って子供達と一緒に簡易的な調査を実施しました。みんな暑い中一生懸命取り組んでくれました。



旧大野川
 
 
 水質汚濁の指標となるCODのパックテストでは、別途用意していた家庭雑排水と川の水を比較すると試料の色がまったく違ったこと(もちろん雑排水の方が汚濁化している)に子供達は驚き、川を綺麗にしていこうという気持ちが強くなったとのことでした。


水質調査風景

 

田んぼの生き物調査では、日本在来種のメダカやメダカと姿形が似ていて生息環境も同じである外来種のカダヤシが見られました。
子供達は、講師である松橋高校の先生から、カダヤシやミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)といった外来種のことや、それが原因でメダカなどの在来種が減ってきていることなどを学んでいました。

これを機会に子供達やその保護者の方々にも地元の水質や生き物に興味を持っていただけたらと思いました。

文責:YS
 

2013年8月6日火曜日

あそび心

先日、業務で美里町方面に現地踏査に行き、石橋を見て回りました。
熊本県内には696基の石橋が確認されており、美里町には45基の石橋が在るとされています。(『日本の石橋を守る会』)霊台橋をはじめ、雄亀滝橋・二俣橋・馬門橋など、芸術的なほど優美で、石垣積み工法でもユニークな石橋が多く在ります。
私は隣町の山都町の出身で小さい頃から通潤橋を遊び場として育ったせいか、石橋には人一倍愛着があります。その中で、私の好きな石橋のひとつに下鶴橋があげられますが、理由は私が酒をこよなく愛するからともいえます。



下鶴橋は国道445号を御船町から山都町に行く途中、御船川と八勢川の合流点(八勢川)に架かっています。【1886年(明治19年)完成】
東京の二重橋や日本橋をはじめ通潤橋などの架設で有名な、名工・勘五郎、晩年の作です。二男の弥熊が初めて架けた眼鏡橋としても有名です。

好きな理由は親柱の外の高欄(欄干)のデザインが大変ユニークだからです。
なんと、高欄が徳利(とっくり)型にくり貫かれているのです。

 
反対側は盃(さかずき)型です。
 
酒愛好者にはたまらなく好きになってしまう石橋じゃないでしょうか。
酒好きの弥熊が記念に残したといわれていますが、明治19年といえば御一新の世情も落ち着いてきており、この石橋も熊本県の依頼で勘五郎親子が請け負ったのでしょう。
仕事も設計段階、施工段階、竣工においてそれぞれ検査があったのでしょうが、よくもこんなデザインを許可したなと思いました。

当時の人々の、気持ちの大らかさ・あそび心・茶目っ気というか、またそれを許した官側の度量の大きさに感服です。
いや、現代があまりにも・・・・という所で、フーッとため息が出ました。

弥熊はその後、下鶴橋のたもとで一人の娘と出会いこの橋の見える地で幸せに暮らしたといわれています。橋のたもとの桜の下で、酒を酌み交わす当時の人の姿が目に浮かびます。
もちろん、復路は故郷の山都町経由で帰り、通が飲む酒。銘酒『通潤』を購入しました。
ちなみに左岸側の高欄は普通のデザインでした。


















文責 KO

2013年8月5日月曜日

社内表彰(2013.8.2)

当社には社内表彰制度があり、原則として年二回表彰式が開催されます。

◆4月: ・優良社員(品行方正で他の社員の模範となる社員等)の表彰
◆8月: ・国土交通行政功労者表彰など発注者様より表彰を頂いた業務
     の担当グループに対する社内表彰
      ・優秀社員(前年度の業務成績が極めて優秀な社員等)の表彰

そして今年も8/2に下記の表彰を行いました

1)国土交通行政功労者表彰の受賞にともなう社内表彰

業務の担当グループの代表者(主任技術者または主任担当者)に、社長より表彰状並びに副賞が贈られました。

<九州地方整備局局長表彰受賞業務>
「菊池川大浜地区水制調査業務」  ・・・調査・防災グループ

<事務所長表彰受賞業務>
「立野ダム流量観測採水外1件業務」  ・・・調査・防災グループ
「平成24年度球磨川水系堤防等河川管理施設状態調査その他業務」  ・・・調査・防災グループ
「東九州自動車道(城西地区外)裁決申請図書作成等業務」 ・・・測量・用地管理グループ






2.(一社)全日本建設技術協会・全建賞受賞の紹介

大保ダム建設事業」(沖縄総合事務局北部ダム事務所) 

北部ダム事務所様他、当社を含む計12社の賛助会員が受賞しています。
当社は、昭和59年から昭和62年にかけて、北部ダム事務所様発注の水文・流量関連業務を受注し、ダムの貯水を確保するための流域外からの導水検討や、ダム建設後の流入・放水流量把握のための観測箇所検討及び流量観測手法の策定等を行いました。
当時の業務に関わった役員・社員に対して、社員一同より大きな拍手が送られました。
(全建賞は昨年の「新水前寺駅地区交通結節点改善事業」に続いて、2年連続の受賞です)


3.優秀社員表彰

今年は技術部と用地補償部より各1名が選ばれ、社長より表彰状並びに副賞が贈られました。


-----------------------------------------------------------

以上、各受賞者は、業務で苦労した点、努力した点、発注者の方に評価して頂いた点などを振り返り、協力者への感謝の思いや、今後も発注者の皆様の信頼にお応えできるよう自己研鑽を重ねていく決意をスピーチしました。






文責 YM


2013年7月25日木曜日

平成25年度国土交通行政功労表彰式


昨日、国土交通省九州地方整備局八代河川国道事務所において、
平成25年度国土交通行政功労表彰式がありました。

水門等操作をされるなど、
長年に渡って国土交通行政へ功労があった方々がいらっしゃる中、
当社は、優良施工業者(業務部門)の表彰をいただきました。

表彰の対象となった業務は、
「平成24年度球磨川水系堤防等河川管理施設状態調査その他業務」

業務の内容は、大きく3つ。
・徒歩目視による堤防等、河川管理施設の状態把握調査
・河川管理区域内の標識調査及び台帳整備
・球磨川48瀬の現況調査(2013.5.28のブログにて紹介)

いずれも、適正な河川管理のために重要な業務であり、
日本三大急流と言われる球磨川の治水安全確保や、魅力ある川づくりには欠くことができません。

筆者としては、
・確実な工程管理体制
・瀬のスケッチや流況ビデオ等、資料価値としても高い成果品
上記2点が高評価を頂けたのではないかと思います。

※上段、左から4番目が当社、原田社長です

















平成25年度、調査・防災グループでは、他2件の業務についても表彰をいただきました。
業務名と主な業務内容は以下のとおりです。

『菊池川大浜地区水制調査業務』・・・・・・・九州整備局長表彰(7/19)
・歴史的価値の高い石積水制の文化財調査
・実機ヘリによる航空写真撮影
※プロポーザルによる提案型業務

『立野ダム流量観測採水外1件業務』・・・・立野ダム工事事務所長表彰(7/23)
・白川上流域における高低水流量観測、観測機器保守点検
・九州北部豪雨における災害調査等


いずれも、高い専門性と地元ならではの機動力・経験を評価して頂けたものと思います。
今後も、表彰に恥じないよう、グループ一丸となり業務に邁進したいと思います。

文責 Y.N

2013年7月3日水曜日

ハマボウ観察会

 環境・景観グループのOFF-JTの一環で、熊本記念植物採集会の第1005回例会に参加しました(2013年6月30日)。
 天草市新和町のハマボウ生息地で、塩性湿地の観察やハマボウの分布・形態等の勉強会がありました。花期は7~8月なので、満開時期にはまだ早かったのが、少々残念でした。
参加者は55名。活動盛んな会です。

参加者の皆様
 「ハマボウ」とは、アオイ科フヨウ属の落葉広葉樹です。黄色い花弁を5枚もち、合着して筒状になった雄しべの中を雌しべが貫いています。ハイビスカスなどフヨウ属には共通の特徴です。
 学名は、Hibiscus hamabo Siebold et Zucc. (ヒビスクス・ハマボウ)。
学名から分かるように、シーボルトとツッカリーニが命名しました。

つぼみがたくさんついていました。
花。朝咲いて夕方にしぼみ翌日落下する「一日花」です。

果実がついたままでした。中には種子がたくさん入っています。
 日本での分布は、北限が三浦半島、南限が奄美大島の住用川で、生育地が最も多い県は、ここ熊本県と長崎県だそうです。何となく誇らしいです。
 ハマボウの生育地は、満潮に海水が流入してくる河川の下流部や河口、波静かな入り江や内湾の岸、海跡湖の岸、海岸湿地やその周辺ですから、全国的に埋立等の開発行為で生息地を失いつつあります。ハマボウが生息するほとんどの県では、絶滅のおそれがある種を記載したレッドデータブックあるいはレッドリストに載っています(熊本県では今のところ指定されていません)。
ハマボウ群生地
ハマボウ群生地

  同じ塩性湿地環境に生育するシバナ(ホロムイソウ科)の群生も見つけました。こちらも、重要種です。
シバナ。開花が終わり果実がついています。
 記録した植物は41種。重要種あり、外来種あり・・・。かなりスキルアップできました。
塩性湿地を守っていけるよう、我々もコンサルタントとして最善をつくす必要があります。 
シロバナサクラタデ。途中の水田脇に咲いていました。
  環境・景観グループのオタクなメンバーですから、当然、植物だけではなく動物も気になります。
見つけた動物たちを紹介します。
ウミニナ。シバナ群集の脇にビッシリ・・・。
キアゲハの幼虫。食草はセリ科、マツバゼリにいました。
シマヘビ。脱皮前か目が白いです。
タテハモドキ。食草のオギノツメが周辺にたくさん生育していました。

コガネグモ。威嚇されました。
息子(5才)。まじめにメモをとっていましたが、読めませんでした。
   熊本記念植物採集会の現地担当、本部担当の先生をはじめ、参加された皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。また参加させてください。

文責 R・I

2013年7月1日月曜日

水生生物調査

 先日、甲佐小学校の4年生が行う水生生物調査で、指標生物の同定や水質判定等のお手伝いをしてきました。
 水生生物調査とは、川にすむ生き物を採集し、その種類を調べることで、水質(水のよごれの程度)を判定する調査です。指標生物として約30種の生き物が選ばれており、採集した指標生物の種類と数から、水質を4のレベルに判定します。
 
採集の様子
  子供たちと一緒に川に入り、石をめくってみると、ヒゲナガカワトビケラがたくさんいました。残念ながら、ヒゲナガカワトビケラはきれいな水とややきれいな水の両方にみられるため、指標生物とはしませんでしたが、子供たちは楽しんで採集していました。
 
個体数の多いイモムシ状の生き物がヒゲナガカワトビケラ

 指標生物としては 、カワゲラ類、ヒラタカゲロウ類、ヘビトンボ、ナミウズムシ、ヒラタドロムシ、ヤマトシジミ等が採集できました。各班による水質判定の結果は、「きれいな水」又は「ややきれいな水」となった班が多かったです。


生物指標による水質判定の様子

 最後は、アクリル標本をみながら、水生生物の生活史の話をしました。子供たちが一番興味をもったのは、ヒラタドロムシの変態後の形態です。ダンゴムシを平たく薄くのばしたような幼虫が、カブトムシのような堅い体を持った成虫になります。

ヒラタドロムシの変態

アクリル標本による観察の様子

 後日、子供たちから、かわいいイラストのついたお礼状をいただきました。


  甲佐小学校は一級河川緑川に近く、学校から歩いてすぐに、こういった自然観察ができる場所があるって素敵ですね。

文責NY

2013年6月21日金曜日

新緑の山

今年の6月は『枯れ梅雨』のような天候が続き降雨が少ないようで、この時点でダムの貯水量も不足しているようです。
とはいいながら山間部は結構雲が多く、先日晴れ間を縫ってやっと山に登ってきました。
登山の目的は『ミヤマキリシマ』の鑑賞でしたが、残念ながら見ごろのピークは先週あたりだったようでした。昨年は6月中旬でも頂上は見ごろがまだ続いていましたけれど。


今年の頂上の開花状況


















昨年の頂上の開花状況

今回のもう一つの目的は、登山途中で鳥の鳴き声を録音して、会社の環境部の技術者に同定してもらおうとの目論見です。
レコードボイスを片手に、登山道の途中途中で録音しながら登りました。


声だけを聞いて鳥の名前がわかるなんてすごいです。
私がわかったのは『カッコウ』と『ウグイス』だけです。
『トッペンカケタカ』『トッキョキョカキョク』と聞こえる鳥がいます。
これも何かの本に書いてありましたが、『ホトトギス』でしょう。
他にもいっぱい鳴いていますが、さっぱりわかりません。

後日、録音を聞いて同定してもらったら、他にもクロツグミ、ソウシチョウ、ホオジロ、シジュウカラ、アオバト、ミソサザエ、キビタキ、ガビチョウ、アオゲラ(トラミング)等の鳥の鳴き声が録音されていたそうです。
『鳴き声には、それぞれ鳴き始めや鳴き終り、成長期での鳴き方に特徴があります』
『今度から少なくとも30秒以上は録音して下さい』と指導されました。私の録音は10秒程度ばっかりでとても難しかったとのことでした。
弊社の環境・景観グループには、他にも自然環境に精通した技術者がそろっており、動物・植物・昆虫・魚類に詳しく、卵や糞で種類を同定したり、樹木医の資格を持っていたり、多士済々の技術者がそろっています。


前日が雨だったので、頂上からの眺望は360度のパノラマが満喫できました。
景色を見ながら、ふと、周りが『ギーギー』ととてもうるさいことに気がつきました。
最初はあまりの音のシャワーに麻痺していたのでしょう。
他の登山客に、
『この鳴き声は何の声でしょうね?』と尋ねても、みな始めはキョトンとしていました。
そして、さも今気がついたように、
『ああ、この鳴き声ですね、本当うるさいぐらいですね』と周りを見回し始めました。
これがそのときの鳴き声です。

(※音声のみの再生となります)


弊社の技術者に聞くと『エゾハルゼミ』だそうで、よーく聞くと、
『ミョーキン、ミョーキン、ケケケケ・・・』と聞こえるそうです。
私には『ギーギーギー』とか『ジェージェー』としか聞こえませんでした。
さすが、その道の専門家との違いでしょう。これぞプロですね。
この時期の山は、いろんな野草の花々にも出会えて楽しいですよ。



文責 KO

2013年5月28日火曜日

瀬音

年度末にお客様から50箇所ほどの瀬の調査を依頼されました。直轄河川区間の大きな瀬についての状況調査です。

早速現地に赴き、瀬頭から瀬尻までの状況写真、川の流況(流速・澪筋・転石)、河床材料などについて調査しました。














 

しかしながら、ひとつひとつ『瀬の状況』としてまとめるのに、写真や流速などの観測数値だけでは旨く伝えることが難しいことが判りました。
そこで、整理する時のためにと、現地でスケッチしていた絵を少し手直しして平面図として添付することにしました。ポンチ絵ですが鳥瞰的に両岸の状況、転石の位置、流れと速さは→で表現し、澪筋は大きく、流れの方向も直線・曲線で表してみました。

瀬のスケッチ














それらを、一つの瀬毎にA3サイズ1枚にまとめました。

お客様からは、流れの状況が非常にわかりやすいと好評をいただいたとのことでした。

ちょっとした工夫が評価された嬉しさと、手慰みが役にたってなんとも面映い経験でした。

また、50箇所もの瀬を実際に間近にじっくり観察してみて、『急流』に魅せられました。岸辺に座って激しい瀬音を聞きながらじっと流れを見つめていると、一種の無音感覚とともに波しぶきのマイナスイオンで爽快な気分なり、時のたつのを忘れてしまいそうになるほどでした。美空ひばりの歌の『川の流れのように』では川を『滔々と流れる人生』にたとえていますが、こちらは激流ですから『人生は流転』とでもいうような、物事に立ち向かっていくぞ、困難にも負けずにくじけないぞという様な昂ぶる気持ちになりました。

瀬のとりまとめの1例













突然私事で恐縮ですが、3年前から趣味で油絵を描き始めています。1年間に1作品しか描けないので趣味と言えるのかどうかも疑わしいのですが、『瀬音』の感動を忘れないためにと今回調査した瀬の一つをモチーフに描き始めました。

なにしろ、大きさがF100号(1620×1303mm)ですので描くのが大変です。現在、1/3ぐらいの出来上がりですが、県美展に間に合えば出品しようかなと思っています。

これから涼しさが欲しくなる季節になります。皆さんも一日ゆっくり『瀬音』を聞きに行ってみませんか。

制作中の作品
 

















 

文責KO
 

2013年5月21日火曜日

アイラトビカズラ

 山鹿市菊鹿町相良に自生している国天然記念物『アイラトビカズラ』の花をみてきました。本種の保全のために、知り合いの樹木医さん達が頑張っています。

相良のアイラトビカズラの看板
  アイラトビカズラは中国原産の常緑のマメ科植物で、葉は3枚、フジのように棚に巻きついています(専門用語では「常緑藤本、葉は3出羽状」といいます)。
公園内には3つの棚があり、外からみると花はみえませんが、棚の中では7~10cmの暗紅紫色の花がブドウの房のように垂れ下がって咲いていました(この花の付き方を「総状花序」といいます)。前述の樹木医さんの一人(M樹木医)が調査されたところ、300ルクス以下の光の場所じゃないと開花しないそうです。雨天で写真がうまく撮れませんでしたが、花は迫力がありました。香りは決して芳しいとはいえません・・・。
アイラトビカズラの棚

棚の中の様子
アイラトビカズラの花
 樹齢は推定約1000年、この株が国内唯一の自生として1952年に国の特別天然記念物に指定されたそうです。危うく、娘が花をちぎるところでした。そうです、法的に国特別天然記念物には触れてはいけません。
 下に花が落ちていましたので、観察してみました。特徴から、マメ科の花だと納得です。花弁は5個、旗弁の下のおしべは離れ、その他は合生して2体となります(これを「2体雄ずい」といいます)。



花の観察記録

  アイラトビカズラには数々の伝説があるようですが、その一つに「開花すれば必ず国家的な事変が起きる」という説があります。そして近年は、ほぼ毎年5月になると開花しています。
そういえば、毎年のようにどこかで大きな事変が起きているような・・・
伝説は本当なのかもしれませんね。

文責RI


2013年5月17日金曜日

優良事業所表彰

本日、熊本東地区安全運転管理者等協議会様より、平成24年度の優良事業所として表彰状と立派な楯を頂きました。




弊社では26台の車両を業務に活用していますが、社員一同、日頃より高い意識をもって安全運転を心がけ、積極的に事故の未然防止に努めております。

今後とも優良事業所の名に恥じぬよう、安全運転に努めて参ります。


文責 YM

2013年5月15日水曜日

干潟の外来植物

 先週、熊本県立第二高等学校生物部のスパルティナ属に関する研究のお手伝いをしていました。
 第二高校生物部では、昨年度から干潟に生育する外来植物スパルティナ属の駆除に関する研究に取組んでいます。弊社、環境・景観グループは、その研究で群落面積の測量等のお手伝いをしています。

 今回は、スパルティナ属の群落高や草量等の調査に加え、底生動物調査も実施しました。
干潟に足をとられながらも、高校生の皆さんとともに泥だらけになって調査しました。

調査風景


 研究対象となっている外来植物スパルティナ属とは、北米原産の干潟に生育する大型イネ科植物で、特定外来生物スパルティナ・アングリカに極めて近縁な「スパルティナ・アルテルニフロラ」です。外見がヨシ(アシ)に似ているため、「ヒガタアシ」とも呼ばれています。写真のように、干潟にコロニー状に分布しています。

コロニー状に分布する「スパルティナ・アルテルニフロラ」


 現在、「スパルティナ・アルテルニフロラ」は、愛知県と熊本県での定着が確認されており、熊本県では白川(熊本市)・坪井川(熊本市)・大野川(宇城市)で分布が拡大中です。白川の一部では、国土交通省により駆除が行われました。

 研究地の干潟では、チゴガニ等が確認でき、生物の生息孔も多数存在していました。しかし、スパルティナ属のコロニー内部は陸化し、生物の生息孔はほとんど確認できませんでした。

干潟に生息するチゴガニ

















 「スパルティナ・アルテルニフロラ」の侵入・分布拡大は、干潟の草原化を引き起こし、生物の生息環境の消失を招く恐れがあります。

「スパルティナ・アルテルニフロラ」の繁茂状況



 第二高校生物部の研究により、効果的な駆除方法が判明することを期待しています。
駆除のスピードアップのためには特定外来生物への指定も必要と思われますが、継続した対策を実施するためにも行政・河川管理者・地元が連携して駆除を行っていく仕組みづくりが望まれます。

文責 NY