熊本記念植物採集会の第1020回例会に参加しました(2014年9月14日)。
主に環境・景観グループのメンバーがOFF-JTの一環で、上天草市の龍ヶ岳に登り、今回のテーマである「ウバメガシ林」について学んできました。
登山途中には、植物名が記載された名札が付けてあり、植物だけでなく動物が専門のメンバーにも大変分かりやすく勉強になりました。事前に名札を付けて準備されたそうで、例会担当の皆様には大変お世話になりました。
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和名が記載された名札付の植物(この植物は「クサギ」) |
龍ヶ岳のウバメガシ林は、山頂付近を中心に発達しています。
ウバメガシは、沿岸地の急斜面に多く自生する常緑の樹木です。ブナ科コナラ属に分類され、果実として「どんぐり」が実ります。幹が非常に堅く、備長炭の原料としても有名です。葉は小型で硬く、内側に少し丸まり、乾燥や塩分に強い構造となっています。乾燥に強いことから、生垣や街路樹としても利用されています。
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ウバメガシ林 |
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ウバメガシ |
ウバメガシのどんぐりは、殻斗(かくと)がウロコ状になっていて、コナラやミズナラなどのどんぐりと似ています。殻斗(かくと)とは、どんぐりの帽子のことです。
同じブナ科の樹木でよく見かけるアラカシのどんぐりは、殻斗が横しまのリング状になっています。また、スダジイやツブラジイの殻斗はどんぐり全体を包んでいたり、クリやクヌギなどの殻斗はトゲやイガ状になっているなど、樹種によってどんぐりの形や殻斗の形が違います。
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ウバメガシのどんぐり |
龍ヶ岳の山頂付近には、ミューイ天文台やキャンプ場などの施設があります。その中でちょっと気になったのが、「ハート岩入り口」という看板です。矢印の方へ行くと、素晴らしい景色とともに、断崖絶壁の岩の先端付近にハートがっ!
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ハート岩 |
昼食の後は、登山途中で出てきた植物やウバメガシについての勉強会があり、その中でさくら天狗巣(テングス)病についての話がありました。熊本記念植物採集会では、さくら天狗巣病の撲滅に取り組んでいらっしゃいます。
最後に、他に生育していた植物を紹介します。
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トベラ(トベラ科) |
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ヒメユズリハ(ユズリハ科) |
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ゴンズイ(ミツバウツギ科) |
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カクレミノ(ウコギ科) |
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ヤツデ(ウコギ科) |
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シコクママコナ(ゴマノハグサ科) |
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ハクサンボク(クマツヅラ科) |
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ミヤマウズラ(ラン科) |
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スギ(スギ科)
立派な一本杉でした。 |
文責NY